50人の食器棚

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「白磁のスープボウル」西田真由美さんより

「白磁のスープボウル」節目となる年齢に差し掛かり、手元の景色は最近急にぼやけてくるし、なるほど先輩方から聞いていた身体に訪れる変化もいろいろ現れてくるし、何よりこれから先の時間に限りがあることを、とても現実味を伴って感じ考えるようになってい...
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「木のサラダボウル」水谷英与さんより

読むたびにどの話もいいなあ、(物語として)よくできているなあと思っていましたが、【木のサラダボウル】の中のこの箇所。「作品に三つの要素をいつも見ていた。素材、技術、デザイン。素材は大切な自然の恵み。人が培った手技。そして、今を生きる人が使い...
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「こぎん刺しのティーコゼ」ほか 青木東子さんより

無心の中、繰り返す行為というものは工芸の本質のひとつだと私は思っています。この本にはいくつもそのことが描かれていました。漆の塗師のただ塗る仕事を続けた先にある無心の瞬間。金属を繰り返し叩いて本物の深い呼吸を得る朝さん。そして糸を刺すことは極...
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「ガラスのヒヤシンスポット 」増田早紀さんより

器たちが語り出すあたたかで愛おしい物語。一番胸を締め付けられたのは、やっぱり「ガラスのヒヤシンスポット」のお話しでした。緑さんの工房を訪れたはるさんが目にした光景。通常 吹きガラス工房というのは、24時間窯の火を絶やさず ごうごうと燃え盛る...
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「こぎん刺しのティーコゼ」藤原真子さんより

WEBでの連載の際に拝読していた物語を、この度書籍の形でもう一度読ませていただきました。そうすると、以前とはまた違った章に心が留まって、今の自分に寄り添ってくれるお話を見つけました。「こぎん刺しのティーコゼ」です。現在3歳のやんちゃ盛りの息...
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「ガラスのヒヤシンスポット」川西しほさん(chiffon glass)より

『溶けたガラスを竿に巻き取り一つ一つ吹いて形を作っていく』ヒナタノオトさんに初めて伺った時に手に取ったヒヤシンスポット、曲線が美しくてつやつやしていました。すぐにこのお話と繋がりました。緑さんがガラス工房で親方からガラスを学び独立して毎日毎...
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「くるみの木の皮のお弁当」香田佳人さん(アトリエ倭)より

「くるみの木の皮のお弁当」のお話しが好きでした。以前「食べることは生きること」と、工房からの風で知り合った作家さんに教えていただいて、その食べることがぎゅっと詰まったお弁当のお話しだったからかもしれません。この章の中に「誰かが大切に想いを込...
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「呼び寄せのポット」 藤武美輪さん(TETOTE)より

どのお話もその作り手と自分とを重ねたりしながら読むことが出来ました。その中でもちょっと趣が違ったこのエピソードが一番、心に残った気がします。使い手がそれぞれの場所で大切にしていたものが、時を経てお互いに繋がって、唯一無二の新たな大切なものに...
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「こぎん刺しのティーコゼ」角舘徳子さんより

どのお話も本当に大好きなので決められないのですが、制作の時間を船出に例えていらっしゃることに、とても感銘を受けております。制作の間の、誰でもない自分になる瞬間のこと。そして自分ではない何かに守られて突き動かされてつくること。大変美しく、本当...