「木のサラダボウル」水谷英与さんより

読むたびにどの話もいいなあ、(物語として)よくできているなあと思っていましたが、
【木のサラダボウル】の中のこの箇所。
「作品に三つの要素をいつも見ていた。素材、技術、デザイン。素材は大切な自然の恵み。
人が培った手技。
そして、今を生きる人が使いたいと思える意匠とその美しさ。
そのバランスが、まるでトスドサラダの三つの要素みたいだと思ったんだ。」

私の中にあった「なぜ?」という水たまりに、さっーと「答え」に当たるような光が差し込んできて、水面がキラキラ光ったような、そんな気持ちになりました。

三つのうちのどれか‥たとえば素材や技術のみが素晴らしくても、あるいはデザインは素敵だけれど、長い間使っていくことに不安が生じたりとか‥ではなく、絶妙な「バランス」があるからこそ私は、手仕事のものに惹かれるのだと思ったのでした。

トスするたびに自然に味が混ざり合って、整っていくサラダの、その時だけの出会いのように、ひとりの作家さんの手から生み出される作品も、その時々でいろんなバランスをとり、また、作品が集うギャラリーや展覧会の場も、何人もの作家さんの作品のバランスをとるはるさんや早苗さんのような方が居て、「出会い」の場となるのだなー思うと、「これから」が楽しみでなりません。

いつも私のココロにキラキラをありがとうございます。

水谷英与さん
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