「白磁のスープボウル」西田真由美さんより

「白磁のスープボウル」

節目となる年齢に差し掛かり、手元の景色は最近急にぼやけてくるし、なるほど先輩方から聞いていた身体に訪れる変化もいろいろ現れてくるし、何よりこれから先の時間に限りがあることを、とても現実味を伴って感じ考えるようになっている今「白磁のスープボウル」で語られる言葉がしんしんと心に響いてくる。

”若さの頂点から降り始めたあるところで、ふと気づいてしまう。昨日まで出来たことが難しくなっていくことに。”

つくれる服の数も減ってゆくだろうし、この先あと何回の展示会ができるだろうと考えて指折り数えられるくらいの現実的な数が見えてくる。
自分の身体だけでなく、大切な人たちの健康も、環境も、すべて今の当たり前は永遠でない、という現実を見ないふりができなくなってくる。

だからこそ諦めるのでなく。
やりたいことをやりきって、変化を恐れず、今までの経験のすべてをぎゅっと詰め込んで、これからの製作の時間を新鮮にしてゆきたい。

”ひとりの人間が持たされた時間、その折々を懸命に生きていくこと。
そのときならではの実りを重ねていくこと。”

この言葉を支えに、伸平さんのように伸びやかに生きて行こうと思う。

N O K A. 西田真由美
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