「こぎん刺しのティーコゼ」藤原真子さんより

WEBでの連載の際に拝読していた物語を、この度書籍の形でもう一度読ませていただきました。
そうすると、以前とはまた違った章に心が留まって、今の自分に寄り添ってくれるお話を見つけました。
「こぎん刺しのティーコゼ」です。

現在3歳のやんちゃ盛りの息子がいるもので、38ページの文章にあるように、まさに「毎日へとへと。けれど、いや、だからこそ…」な日常の私なのですが、
晶子さんの手を動かす喜びと今の自分の手を動かす喜びが重なるようで、必死な背中にそっと手を添えていただいたような気持ちになりました。

どの章の人物にも、作ることを選んだ人生の中の苦しみや喜びが詰まっていて、うんうん頷きながら、繰り返し開いています。
そして、5年後10年後には、また別の章が心に響くのかしら、とも感じています。
そんな変化も楽しみに、いつも手を動かす机の脇に「おばあちゃんの食器棚」を置いておきたいと思います。
ありがとうございます。

藤原真子
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