ヒナタノオト工藝帖

佐藤かれんさんより(手織り)

Q1長野県で手織りに励まれる佐藤かれんさん。今展には、どのような作品を出品くださいますか。A1以前スウェーデンに留学していたときに、食にまつわる場面で出会った可愛い織物を、当時の記憶を思い出しつつ制作いたしました。ハンドタオル、テーブルラン...
ヒナタノオト工藝帖

樋口萌さんより(陶芸)

Q1三重県津市で作陶される樋口萌さん、今展にはどのような作品を出品くださいますか?A1カップ類を中心に、現在取り組んでいる染付マットの作品を出品します。縄目模様を施した高台(器の裏側)にご注目いただけると嬉しいです。表目にみえる華やかな表情...
ヒナタノオト工藝帖

角舘徳子さんより(津軽こぎん刺し)

Q1津軽地方で刺し続けられてきたこぎん刺し。20代からその美しさに惹かれ、刺し続ける若き作り手、角舘徳子さん。今展には、どのような作品を出品くださいますか。A1今回は岩木山ポーチや鍋敷き、スマホポーチを中心にお作りしました。自分で組んだ模様...
ヒナタノオト工藝帖

ふたりのミシンの調べ

明日、5/11(土)からはじまる帆布バッグ作家のamさん、洋服作家のすずきみきさんの展覧会「ミシンの調べ」。今年で3回目を迎えます。4月、満開の桜のころ、町田市南大沢のアトリエへ撮影に伺いました。5月、青葉のころ、おふたりの作品がヒナタノオ...
長野麻紀子

夜間飛行

とろんとした黄昏がなみなみと注がれた杯に、菫、青、灰色が入り混じりはじめするすると夜の帳が下ろされてゆくのを、ぽうと眺めていた。最後のレモン花と薔薇の香りを色濃く漂わせる夜の淵に腰掛けて、湯を沸かし、グリーンルイボスの茶を淹れる。ルイボスの...
大野八生

庭の体力

ありがとう、おめでとう、感謝の気持ち、悲しい気持ち。言葉にならない気持ちを誰かに手渡す時、花束にすることが多いものです。高校生の頃、誕生日に親しい友人たちから送られた小さな花束。可憐で、野性味があって、庭で摘んで束ねてくれたような見たことの...
クロヌマタカトシ

土の顔

小さい頃に度々、知らないおじさんが家に来ていた。そのおじさんはいつも声が大きくて僕は少し怖かった。鍵の掛かっていない玄関の引き戸をがらがらっと勢いよく開けて「おーい、まーちゃんいるかー」と家中に響く声で叫ぶのだ。大抵は母が応接していて、裏の...
ヒナタノオト工藝帖

なんとなくの先へ 七実さんへの手紙

七実さん、個展が無事終了いたしました。充実の作品群、あらためて、ありがとうございました。そして、お疲れさま、と心から労いたいと思います。始まるまで。特に案内状の制作でやりとりをしていた冬の終わりの頃、心細そうな七実さんの声に、心配をしていま...
ヒナタノオト工藝帖

春に得たもの

Gökotta × Påskヨークオッタ × ポスク糸花生活研究所(藤原洋人さん・藤原真子さん)佐藤かれんさんの作品展が終わり、スタッフ一同とても充実した気持ちでおります。ご来場いただきまして、あらためて御礼申し上げます。,藤原さん夫妻も佐...
にしむらあきこ

恋する紙宝石

2年ぶりのヒナタノオトさんの個展です。2年前、「青の王国」のあとにすぐ2年後の個展のお話をいただき、そのときから「恋」をテーマにしようと構想を練ってきました。「恋」なんぞ遠いもの、忘れかけていたもの、懐かしいもの。そんなふうに思っていました...
にしむらあきこ

父とダンス

夢をみた。学校の校庭のどまんなかで、父はオフィスチェアに座っている。よく身につけていた綿の水色のパジャマを着て、茶色の模様が入ったウールのガウンを羽織っている。50歳くらいの時の父の姿をしていた。長身細身でなかなかイケメンだったので、パジャ...
にしむらあきこ

わたしのともだち

明けない夜はない。止まない雨はない。使い古されて鮮度も落ち、ありきたりで色気のないこの言葉を、この2年近くなんどもなんどもの口の中でもごもごとつぶやいていた。そういえば中学生の時の同級生は、同じような意味をもって「不景気のあとは好景気が必ず...