佐藤かれんさんより(手織り)

Q1
長野県で手織りに励まれる佐藤かれんさん。
今展には、どのような作品を出品くださいますか。

A1
以前スウェーデンに留学していたときに、食にまつわる場面で出会った可愛い織物を、当時の記憶を思い出しつつ制作いたしました。
ハンドタオル、テーブルランナー、プレースマット、大小様々なクロスなどを、北欧の伝統技法で織りました。

スウェーデンに暮らして驚いたことのひとつが、日常でテキスタイルがふんだんに使われていることです。
台所ではリネンのタオルが、手や食器を拭く以外にも、棚の目隠し、野菜の水切り、パンやお菓子の包みとして大活躍していたり、食事どきには、季節やイベントに合わせた色やデザインのクロス、テーブルランナー、プレースマットが、いつもテーブルに敷かれていました。
物が当たり前に生活の一部として日々を彩っている様子を目の当たりにして、とても素敵な暮らしだと思いました。

今展に向けての作品から、ハンドタオルとプレースマットを紹介いたします。

ハンドタオル
コットンとリネンで織りました。
北欧ではこのような薄手のタオルがよく使われています。
丈夫な布地で長持ち、よく吸水し、すぐ乾くので、台所仕事にピッタリのタオルです。
今展には、自宅で使用しているハンドタオルを見本でお持ちいたします。
使い込まれたもの、新しく織ったもの、それぞれの手触りの違いを感じていただけると嬉しいです。

プレースマット
ダーラドレルという技法で織ったプレースマットです。
留学していた学校のある地域に古くから伝わる織りで、多種多様な模様と配色が特徴です。
今回のプレースマットは、コットンの黒地に、ラムウールの糸で白い模様を織りました。
ふたつの素材が合わさって、厚手の、ふんわり柔らかい布になりました。
食卓で、上にのせるものを、優しく受け止めてくれます。

Q3
西宮、あるいは、関西での思い出がありましたら、教えてください。

A3
関西は、滋賀県に1年ほど住んでいました。
郷土料理の鮒寿司をいただいたとき、初めて食べる発酵したお寿司の香りと味に衝撃を受け、それが忘れられない思い出のひとつになっています。

Q4
今回、在店予定がありましたら、お知らせください。

A4
最終日の5/27(月)在店予定にしております。

「これ、本当にすべて手織りなんですか?」
佐藤かれんさんの作品展で、よく耳にするお尋ねです。
若き織り手であるかれんさんの、織り上げる喜びに満ちた布。
そのお仕事の質と量に圧倒されます。

そして、素材と手織りならではの風合いは、長くお使いいただくほどに愛着が増していきます。
まさに「布の風合いが育つ」よう。
よい感じにくたっとやわらかになって、手放せなくなる「私の布」になっていきます。

山々の新緑が美しい信州から、最終日に西宮に来てくださるという佐藤かれんさん。
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