富井貴志

木工作家


1976年 新潟市生まれ
2002年 筑波大学大学院数理物質科学研究科中退。森林たくみ塾にて木工を学ぶ
2004年 オークヴィレッジ株式会社に入社
2008年 独立し、京都府相楽郡南山城村に工房開設。以後国内外で個展多数
2015年 長岡市に工房を移転
2019年 第93回国展にて準会員優作賞受賞
www.takashitomii.com

富井貴志

We Are Atoms その後 – 2022年7月

昨年4月に「自由学園明日館 婦人之友社展示室」での個展の直前に、We Are Atoms と名付けた彫刻刀で彫模様を施した仕事について、こちらで書かせていただきました。 当時のほとんどの仕事は私が研究室にいた頃に経験したような、単一の物質で...
富井貴志

新しい時計

また来た。 じわーっと身体の芯から暖かくなるような感覚。 これまでものづくりをしていて一度も感じたことはなかったのに。 ————- 昨年の11月終わり頃から制作中にだけ頻繁に訪れる表現しづらい幸福感。 数ものでも一点ものでも関係なく、毎日一...
富井貴志

We Are Atoms

まずは Eames Office がYouTubeで公開している『Powers of Ten』をご覧ください。 有名な映画なのでご覧になられたことがある方も多いかと思います。 これは1977年に発表されたカラー版で、原型は1968年にモノク...
富井貴志

降りつづく 変わりつづける

1月10日、夜明け前に何度も目覚めてしまい、その度に部屋の細長い窓から街灯に照らされる外の様子を窺う。 濃密な白色の結晶の集合は空間を夜中うっすらと明るく保ち、深々と音もなく降り続けている。 もう何日目だろう。 5時頃から妻と2人で道路から...
富井貴志

動くことは面白い

朝晩ずいぶん涼しくなって、などと書き始めたい時期なのですが、僕が暮らしているあたりは8月の下旬からいよいよ夏真っ盛りといった暑さに見舞われました。 9月も半ばになりましたが日中はまだまだ夏の日差し。 そろそろようやく空気が変わってくるのかな...
富井貴志

池に想う

つい先日まで乾いていた空気にもじっとり重みを感じるようになりました。 これから徐々に木の仕事には難儀する季節に向かっていくわけですが、山も庭もあっという間に濃淡の緑に彩られ、心華やぐ時でもあります。 2週間ほど前にはまだホワホワと柔らかな色...
富井貴志

山に追いやられた木

日本の山は木で覆われている。 平地の少ない地域を別にすれば、平らな低地で米作りを追求してきたためだろう。 特に僕が住んでいる新潟県中越地域では平地は水田、木は山にといった景色が延々と続いている。 我が家はいわゆる中山間地域にあるので、棚田も...