景色

今年もあと数時間。
やりかけのことや、やっておきたいことも多いのですが、夜は楽しいご飯係ですので、
今年のうちに書きとどめておきたいことを。

昨年はつれあいの抗ガン治療中で、母を見送った年でもあり、
私自身も1月の手術入院を前に晴れ晴れとはしていない心持ちでした。
それでも、雨降りというわけでもなくて、基本はいつもの前向きな心だったように思います。
2024年の計画を心に描きながら。

ありがたいことにつれあいの経過は順調で、抗ガン治療は終えて、ダメージの少ない療法に代わり、元気に過ごしています。
私自身もケロリとしていて、すこぶる元気に、爽やかに過ごしています。

その元気さに乗じて?今年は、秋から猛烈な日々でした。
デンマークツアー、福岡展覧会、大谷夫妻展、工房からの風、「おばあちゃんの食器棚」の出版、明日館展。
その間、ヒナタノオトも魅力ある企画展が続いていました。

振り返ってみれは、そのどれもが得難い喜びに包まれ、たくさんの方たちとの出会いに満ちたものでした。
奇跡のように。

年末、多くの方がご丁寧にメールをくださいました。
共通に書かれていたのは、
「したことのない経験をさせてもらい、見たことのない景色を見せてもらいました」
というようなこと。
私の役割がそういうことだったのでしょうか。

けれど、わたしこそ、見たことのない景色をたくさん見せてもらいました。
ひとりでは見ることがなかった景色を多彩に。

景色って不思議ですよね。
そこにあっても、見たり、経験しなければ、その人にとってはないことと同じ。
踏み出して見てみたり、体験してみることで、景色が広がる。

12月28日。
ニッケのお庭の手入れ納めの日。
たくさんの庭人さん(手入れを一緒にしてくださる地域の方々)、八生さん、
うさ村さんとあおちゃんとお庭を整え、庭の恵みでお飾りを手作りをしました。
ここ10年来の習い。

その日、水撒きをしていたら、満天星つつじにきれいな虹が。
水撒きをしなければ見えなかった景色。
そして、見る位置を変えると見えなくなったり。

景色は創ることもできるし、動いてみたら見ることもできる。

生きていることをヴィビットに感じたここ数年だからこそ、今見ている景色がひとしお愛おしく感じます。
私の役割に景色を創ることやそこへ誘(いざな)うことがあるのだとしたら、その役割に感謝して、もっと全うしたいと思う。
そして、実は私も出会った皆さんから素晴らしい景色を見せていただいていることを心にあたたかくおいていたいと思います。

美しい景色、心が晴れ晴れとするような景色、元気が出る景色・・・。
来る年も佳い景色をぜひ皆さんと見たいと思います。

2024年、ありがとうございました。
皆様、どうぞよいお年をお迎えください。
そして、2025年もどうぞよろしくお願いいたします。