HamburgからTønderへ

リューベックから鉄道でハンブルク駅へ。
スマホでチケットを取っておいて(2015年でしたので不慣れでドキドキでした)予約した電車のホームへ移動。
都市部の中央駅はスリも多いので、緊張しながら出発を待ちました。

ハンブルクから北の車窓はデンマークと似た風景。

大学で取っていたドイツ語。
さっぱり覚えていないのだけれど、1年次のテキスト、テオドール・シュトルムの「みずうみ Immensee」のことだけは記憶していました。
シュトルムがフーズム出身だったことも。
ホルスタイン州を北上しながら、Husum の文字を見て、大学時代のことが走馬灯のように思い出されました。

思えばなんでドイツ語を取ったのだろう?
そこはかと言語音階に惹かれていたのかもしれません。
ドイツ語の先にデンマーク語が待っていたなんて、当時は思うはずもなく。

国境をまたいでも特に何もチェックもなく、今日の宿泊地 Tønderへ到着。
ここで好みの小さなホテルが見つからなくて、しっかりとした地元のホテルへ。
その名も、「ホテル トゥェナーの家」
ひとりには、ちょっと立派な宿でした。

観光客はいなくて、地元のひとがクリスマスの買い物に歩いています。

サンタさんも(デンマーク語では、ユールマン)

ユールマンだらけのショップも。

生木のツリーも販売中。

ご年配の仲良しの後ろ姿、いいですよね。

なんと愛らしい光景に出くわしました。
聖ルチア祭。
(サンタルチア)
しばらく見とれてたくさん写真を撮っていました。

小さな町なので、レストランもなかなかないだろうなぁと思って、夕食はホテルで予約をしておきました。
あんまり、こんなことはしないので、ちょっと大人の気分、(十分オトナでした・・)

ホテルのちゃんとしたレストランに東洋人の1人客。
ちょっと居心地悪いかなぁと思いましたが、気持ちよく接してくださってゆっくりおいしいディナー。

他のお席は多人数で朗らかな会食の方々。

当時、すでにコペンハーゲンではNOMAパワーが席巻していて、
その影響で食材や調理法のトレンドが以前のデンマーク料理からすっかり変わっていました。

バターよりもオリーブオイル。
固定観念から放たれた野趣のあるアレンジ。

けれど、地方都市の老舗のレストランでは、古き良きフランス式デンマーク料理といった感じで、この日はこの町での食事と思うと、とても好ましかった記憶があります。

そしてホテル宿泊のお楽しみの朝食ビュッフェ。
チェーン系列のホテルがあまり好きではないのは、朝食ビュッフェに愛を感じられないところもあるのです。
単独経営のホテルでは、オーナーの個性が感じられて、楽しい気持ちで朝ご飯をいただけるのでした。

出発前に、もう一度町を散策。
ハンス・J・ウェグナーの生家も訪ねてみました。

Yチェアーをはじめ、世界中で愛用される家具を多彩に制作したミッドセンチュリーを代表する家具デザイナー。
ドイツ国境にある町で生まれ育ったのですね。

このあたりは、国境の位置が歴史の中で動いているので、ドイツとデンマークそれぞれ固有の文化がない混ざってコペンハーゲンなどとは違った風土風習があるように思います。
1泊ではその奥行きに触れる事もできませんが、ぜひ訪ねてみたかった町をそぞろ歩きできたことは喜びでした。

次は、デンマークの中でも特に好きな町、リーベへ。