どのお話もその作り手と自分とを重ねたりしながら読むことが出来ました。
その中でもちょっと趣が違ったこのエピソードが一番、心に残った気がします。
使い手がそれぞれの場所で大切にしていたものが、時を経てお互いに繋がって、唯一無二の新たな大切なものになっていく過程が好きなお話でした。
はるさんにとって大好きなお母さんとの思い出。
そのお母さんが大切にしてくれていた急須の蓋と自分が大切にしていたポットがピッタリ合ったときの感動。
側から見たらチグハグに見えるかもしれないものが、その人にとってはとても愛おしいものになること。
何にも変えられない宝物になるこのお話が、あたたかな気持ちになって好きでした。
誰が作ったとか、高価なものだからとか、そんなことは一切抜きにして、ただ心から愛しいと思えるものって最強だなぁってつくづく思うのでした。
藤武美輪さん(TETOTE)
→ click