長野麻紀子 夜間飛行 とろんとした黄昏がなみなみと注がれた杯に、菫、青、灰色が入り混じりはじめするすると夜の帳が下ろされてゆくのを、ぽうと眺めていた。最後のレモン花と薔薇の香りを色濃く漂わせる夜の淵に腰掛けて、湯を沸かし、グリーンルイボスの茶を淹れる。ルイボスの... 2024.05.12 長野麻紀子