ソラノノオト
作品展に寄せて

佐藤亜紀 -糸ぬの歳時記 –

2020.09.25

滋賀県信楽町にお住いと工房を移されて四季が一巡りした佐藤亜紀さん。
草木で糸を染め、その糸を織り上げていく日常を、ますます確かなものとされています。

こつこつと弛まぬ制作を続ける亜紀さんには、
物静かで穏やかな中にも凛とした芯の強さを感じます。
こういう人こそ、その人生の中で確かなものを生み出し続けていくのだろうと思うのです。
時をかけ、長いスパンで、ぜひ皆さんと一緒にその創作活動を見続けていきたいと願っています。

オウンドメディア「手しごとを結ぶ庭」を設けると決めたとき、
亜紀さんの四季折々の染織布をご紹介していきたいと企画しました。
その打ち合わせで、最初にお訪ねしたのが昨年の7月。

3か月ごとに四季折々。
亜紀さんの旬の布を発表くださいね、とお話しして、ようやく第一回目を迎えます。
秋が深まり、少しずつ冬支度を始めるときにうれしい布です。

佐藤亜紀さんからのメッセージ

ふかく奥ゆきのある茜色が染まりました。
あたたかみの中にある強さを感じるような色。
私自身、とてもエネルギーをもらったように思います。

とても強さのある色でしたので
緯糸に黄色や紫を入れるのに、ためらいというか
勇気がいりました。
色と色とがぶつかり合いそうで。。。
でも、思い描くイメージと直感を大切におもいきって織る。
結果、茜色とほどよく馴染み、またちがった表情をみせてくれるような差し色に
なったのでは、と思います。

糸本来の輝きに、草木が抱く輝きが響き合って生まれたような布。
ふわりと羽織っても、くるくると丸めて首元に巻いても使いやすいストールです。

つい先日、9月のはじめ。
信楽の工房をお訪ねした時、ちょうどこの「山粧う」が機にかかっていました。
どこから撮っても美しく、この布のちからを感じました。

この「山粧う」は3姉妹。
一回の整経(経糸を張る)で3点のストールが織り上げられました。
緯糸(よこいと)の違いで、表情に変化が生まれました。

布名 :山粧う
染め : A 茜・赤麻(あかそ)・枇杷葉・たまねぎ皮・えんじゅ蕾
    B 茜・赤麻(あかそ)・枇杷葉・たまねぎ皮・えんじゅ蕾
    C    茜・赤麻(あかそ)・枇杷葉・たまねぎ皮・コチニール
素材  :   A    絹 95% 綿 5%
    BC  絹 100%
サイズ: 長さ約197.0cm 幅約44.5cm

シックな一枚と

黄色が華やかな二枚 錦繍綾なす山の色づきを、身に寄せてみてはいかがでしょうか。

 

花野。
はなの、という美しい言葉は、俳句では秋の季語です。
花、といえば桜を指して、春の季語になりますが、
花野となれば開けた野に揺れ合う花々を指す秋の季語に。

布名 :花野
染め :ヤシャブシ・えんじゅ蕾・藍・枇杷葉・コチニール・梅の枝・ざくろ皮
素材 :絹 95% 綿 5%
サイズ: 長さ約180.0cm 幅約30.0cm

緯糸に藍のラインを爽やかにそよがせたものはこちら。

布名 :花野
染め :ヤシャブシ・コチニール・茜・枇杷葉・藍 他
素材 :絹 100%
サイズ: 長さ 約180cm 幅 約30cm

そして、山の姿を呼ぶ冬の季語「山眠る」も。

亜紀さんからの言葉

昨秋、引っ越してきた我が家の窓からみえる
巡る季節とともにうつろう山々が美しく、あたためてきた情景です。
ようやく形にできました。

「山眠る」
紅葉を過ぎ、冬じたくのしずかな山々。
曇りの日は、鬱蒼としたふかい色を見せ、
晴れた日は、枯れ木と日差しのかさなりがやさしい色をみせてくれる。

布名 :山眠る
染め :待宵草・ヤシャブシ・くるみ果皮・枇杷葉・藍 
素材 :絹100%     
サイズ:長さ約195.0cm 幅約45.0cm

山眠るという言葉のように、しずまった姿の中にも静かに息づく草木の姿が織り上げられたような布。
使い手としては、四季を通じて装いに添う色合いの布です。
また、男性にもおすすめします。

今回、コースター、ティーマット、ランチョンマットもご用意いただきました。
器つかいの愉しみにまさに華を添える布小物です。

佐藤亜紀さんの作品は、9月26日土曜日12時からオンラインストア「ソラノノオト」でお選びいただけます。
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佐藤亜紀さんのホームページはこちら。
中のブログに、今回出品くださる布についての記事もあります。
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