思想工房
作り手との対談

今回の作り手

梅田かん子さん

1979 富山県生まれ
金城短期大学美術科 卒業
松本佐一氏に師事
2003 工芸都市高岡クラフト展 審査委員賞
2004 朝日現代クラフト展 奨励賞
石川県立九谷焼技術研修所 修了
富山県高岡市にて工房を築く
2006 出石磁器トリエンナーレ優秀賞
高瀬竜一氏に師事
2008 朝日現代クラフト展奨励賞
2009 工房からの風に初出展
めし碗グランプリ磁器部門最優秀賞
2016 工房からの風二回目の出展

絵画ではなく、文様として

2020.05.09

稲垣早苗
梅田かん子さんとの出会いは、2009年の「工房からの風」でしたね。
当時は小杉かん子さんとおっしゃって、九谷の趣きの作品ながら、バッタやタコが描かれていて、とってもびっくりしたんです。
その後、ご連絡が途絶えてしまったのですが、いつも心のどこかにあの作家の方どうしているかなぁ。
と気になっていたんですよ。
とても信頼しているお客様からも、かん子さんはどのような制作をされていますか?と尋ねられることもありましたし。

梅田かん子
結婚、出産の時間の中でも、小杉かん子として制作は続けていたのですが、7年経ってあらためて前に進もうと思ったときに、再びあの場へ向かおうと思ったんです。
その時、愛着のあった名前も現在の本名にあらためて。
家族あっての自分であって、その制作ですから、それが自然なことだと感じて。
でも、応募はしてみたものの、名前も変わっていましたし、すっかり忘れられていると思っていたので、覚えていてくださったこと、ほんとにうれしくて、励みになりました。

稲垣
こちらこそ、本当にほんとうにうれしかったです。
人生の時間の中で、やりとりが途切れてしまうことってありますよね。
でも、またこうして、心に残る作家の方とあらたにやりとりができることは、ほんとうに幸せなことと思います。

ところで、かん子さんは、今展に向かって、どんな制作に重きを置かれましたか?

梅田
定番柄に加えて季節の植物や梅雨をテーマにした絵皿を何点か作りました。
疫病退治を願い獅子舞の絵皿も描きました。

全て絵柄が違いますので一点一点楽しんでご覧頂けますと幸いです。

脚付きの絵皿は3点の脚に穴を開けましたので紐を通す事で壁掛けにもなります。
もちろんお皿としてご使用頂けますが、飾る楽しさも兼ね備えたお皿です。

稲垣
かん子さんの作品は、表だけではなく、裏側や内側にも心ニクイ!絵が描かれてあって、ほんとうはすべてお手に取ってみていただきたい気持ちです。
どの作品も、うれしい驚きがひそんでいて。
かん子さんは、伝統的なものごとを踏まえながらも、こうして自由闊達な図案を描かれていらっしゃいますね。
今回、牛平さんとの二人展のタイトルを考えた時、かん子さんがどのようにこれらの図案を描かれるのか知りたい気持ちもあって、
「空想の手触り」としてみたのですがいかがでしたか?

梅田
過去に何度かヒナタノオトさんで作品展をさせて頂いていますが、毎回タイトルが素敵で今回もどんなタイトルになるのか楽しみにしていました。
「空想の手触り」というタイトルを見た瞬間に、色んな想いや風景がぶわーと見えて、目の前が一気に明るくなりました。
言葉の力はすごいですね。
その時の気持ちが形になれば良いなと思って、今日まで制作に取組みました。

稲垣
Stay homeの今、どうしても気持ちが縮こまりがちですから、まずは作家のかん子さんに明るい気持ちになってもらえてよかったです。
その実りが、皆さんに伝わっていくと思いますから。
そして、疫病退治の獅子舞のなんとも力強く、愛嬌たっぷりの表情。
今ならではの想いがこめられた作品ですね。
そもそも、かん子さんも具象的なモチーフを描かれますが、そのことへの想いについても教えてくださいますか?

梅田
生きものやお花などを描いているのですが、お皿に描く時はあくまでも模様として描いているんです。
絵画ではなく、いかにモチーフを文様化する事が出来るかというのが常に制作テーマとしてあります。

稲垣
それはちょっと驚きました。
絵付けといっても、ほんとうにさまざまですね。
ある作家の方の絵は、生き物であれば、まるで命があるかのように走ったり、飛んだりしていてそれが美しい作品になっている場合があります。
一方、かん子さんのように器の文様と思い定めて、そこに美の照準を定めていく。
これは、九谷焼で修業をされたことにも少なからず影響があるのでしょうか。
もっとお話しを伺いたいと思いますので、頁をあらためますね。

梅田かん子さんと牛平安代さんの二人展「空想の手触り」は、
緊急事態宣言中のため、実店舗に皆様をお迎えしての開催が叶いませんでした。

作品を十分にお伝えすることはできませんが、少しでもおふたりの「空想の手触り」を感じていただきたく、このサイトで記事を更新していきます。
会期中、ぜひ、何度もご覧いただけましたら幸いです。

また、作品販売については、ヒナタノオトオンラインストア「ソラノノオト」でご購入いただけます。
こちらもあわせて、ご覧くださいませ。

記事は会期中続きます。

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